龍勢HC完走、真実の瞬間

今年最後の希望を託して申し込んだ龍勢ヒルクライムだが正直あまり期待していなかった。何しろいままでこれだけ色々あると期待するのは無理というものだ。
去年とは一部コースが変更になり危険箇所もあったが去年よりタイムを10分近く短縮する46分20秒、クラス13位でゴール。言うまでもなく年齢別クラスレースとしてはぶっちぎりのベストリザルトとなった。返す返すも乗鞍が悔やまれるが、草津、乗鞍、川場のあと、本気でレースを辞めようと思っていた状況からするととにかくこの結果にホッとしたという一言に尽きる。
以前塩原で優勝したときにはレースに勝ったが勝負に負けた感があった。今回はレースに負けたが勝負には勝った。だから今回ポディウムに登れはしなかったが、それとは次元の違う、求めている場所にいるんだと感じる。その意味であの時と同じ感動を今味わっているのかもしれない。自身の心とのわずかな邂逅、真実の瞬間。

だから、その、直接恥ずかしくて言いがたいが、支えてくれたチームの皆様、レースに参加した、携わった全ての人に、そして時にこの素晴らしい場を与え、また時に残酷なまでに全てを奪うセカイに、ありがとうと言いたい。

このレースの前、これで最後にしようと考えていた。今でも迷いがないわけじゃない。でも俺はこのレースを走ったし、きっと次のレースも走るんだと思う。走りたいんだと思う。自分の話なのに他人事のようで奇妙だが、きっと人は自分自身の心だって自由にできるわけじゃないのだ。これからも走っては迷い、迷っては走るだろう。だから今言えるのはこれだけだな。

もうレースなんてしないなんて、言わないよ絶対。