審判の日day3

審判活動も3戦目、今回は富士山ヒルクライムの審判。

さて本日の天候は雨、スタート地点の気温は20度。ゴール五合目は13度。ほぼ無風、弱い雨。濃霧。
これだけ聞いてあざみラインを登りたいと思うライダーがいるだろうか。

いや、いるわけがない。断言してしまおう。

あざみライン自体はその非常識な勾配を除くと最高点の標高も含め山岳国家日本においては別段特筆するほどの難しい道ではない。富士山周辺は観光地としてプレゼンスがあるため道は良く整備されており、アプローチは全く容易だろう。

ただ自転車レースの審判をするとなると後ろが霧で見えないのだから審判にとって非常に厳しい環境といえよう。霧の中から突如現れる選手、急遽濃度を変化させるため一定の距離を保っていれば常に見えるというわけではない。しかもこの勾配では選手のペースも幅が大きい。ところどころ壁のような坂がありそれでペースが落ちてしまうのだ。moto側からすると一定速度以下で走るのは非常に困難だ。1速の速度レンジの下限を下回るとクラッチで調整する必要が出てくる。だがクラッチは一時的なものでそれを継続して使い続けることはできない。それではと少し先行して停車してタイミングを図ろうとすると、前述の霧の中から選手が現れる状況となるわけだ。しかも選手は常識的なペースで走ることもできれば、アタックをかけることもある。

今回は幸いにも先頭のやりやすいものをやらせてもらい、下山もmoto中一番手だったため自分の能力の範囲ないでなんとかなった。が、実際のところmotoをやるという行為は決して簡単なものではない、まあこれまでの執務に於いても審判の権限と責任については度々言及しているが基本単独で行うmotoはまさにその象徴だと思った。

50分で登り、2時間待機してから下山したが、この難しいコンディションの中大きな事故もなく大会を完遂した全ての関係者と選手に敬意を表したい。正直に申し上げて、やはり、いうほど簡単な事ではないのだ。ということを回収されたチップのタイラップをもぎりながら実感したわけです。

帰り道、雨の中結局道志道で帰宅したのだがこれまた結構アレだった。疲れた。