普通の人は今日行かないって

終戦記念日が近づくと毎年いろいろな話を耳にするわけだが、中でも15日の靖国神社が香ばしいことになるんだってネットには書いてる。

靖国神社には第二次世界大戦で殉職した200万余の英霊がまつられている神社であるが、祖父がここに祀られているのにも関わらず一度も参拝した事がない。だから自分が香ばしい出来事の当事者である事すら忘れてしまっていたのだが、それも無理からぬ事で父親は今日の今日までこの時期に靖国に参拝する事はなかったし、それ意外の時期についても靖国についても戦争についても語ることはなかった。酒を呑んで口が軽くなっている時でさえその事には触れようとはしなかった。

が、今回思い切って明日参拝しようと思うんだけど、と話をふってみた。別段感情的になるわけでもなかったが騒ぎに巻き込まれたら困るからやめたほうがいいと冷静に言うのだ。言い分としてはこうだ「終戦記念日は日本が戦争に負けた日であって、死んだ人にとってはそれほどいい日ではない。そもそもお盆の期間は祖先の魂は家に帰ってきているのだから靖国に行ってもいないよ」と。

そんなわけで15日の参拝は未遂だ終わった訳だが、戦後60年経ってもこれなのか、というのは感慨深いものがある。60年たったのだから自分の言いたい事を言いたいように言っても良さそうなものだがそういうわけではないようだ。おそらく墓まで持っていくつもりなんだろう。

普通の人は今日行かないっていうけれど、普通っていうのが見て見ぬ振りをするっていう意味ならばそれはちょっと違うと思う。