東北支援第4射 突撃20km圏

206のシェイクダウン代わりに海沿いということで福島第一原発20km圏を目指すことにした。いうまでもなく20km圏内は警戒区域なのだがどういう状況なのか全くわからないので突撃してこの目で見てみようと思い。
前日に暗闇の中で試行錯誤した割にはナビはちゃんと取り付いていた。ただあたりが暗い時にガラスに反射がひどい。対策せねば。外環大泉から三郷で常磐道へ。そのまま広野に到達。途中トイレ休憩を1回のみ。200km程度であればコレで十分だ。隼だと後続が350kmくらいなので途中給油の選択肢もあるが206は満タンにすると600kmは堅い。
広野では高速が完全にバリケードで封鎖されている。この先の常陸富岡にはおととし到達しているのだが、おそらく自分が生きている間に行けはしないだろう。その意味で原発20km圏とは世界で最も遠い場所なのかもしれない。ICを降りると目の前に巨大な煙突が。東京電力広野火力発電所だ。が、どうも入っていい空気ではなかったのでそのまま北を目指す。およそ1分で第一関門を発見。これまた一般道が完全にガードレールで封鎖されている。ガードレースのそばには警備員らしく人が二人、その横には大きなバスが止まっておりそちらにも何人か要るようだった。とりあえずここで行き止まりですか、と聞くと、入ったら警察に職務質問されるよ、とのこと。職務質問されても逮捕されなければ困らないが記念撮影して引きさがった。次にもう少し細いとおりで6号に合流しようとしたが、こちらにも警備員が。地図では県道ですらない。市道にまで警備員が(かならず二人体制で)張り込んでいるなんてよほどの事情があるのだろう。県内は普通の住宅地だ。あたりまえだけど。警察車両も頻繁に通っていたので下手に走るとつかまる可能性もありそれはちょっと避けたかったので撤退することにした。次の目標は津波被害であり、しかしそんなものは探すまでもなかった。台座だけが残る家、廃墟になった家なんてゴロゴロしている。常磐線広野駅に寄ったが駅員はいるようだ。ただ電車が通る気配はない。まあ、常磐線のこのエリアなんて1時間に1本通れば良い方なのでそういうものなのかもしれないが。海岸沿いの道は橋が落ちて寸断されているので諦めて6号に。途中道の駅に寄ったが道の駅の建物は仮設。港には舟の残骸が積み上げられている。カーナビの性能を試そうと健康ランドのカテゴリで一番近そうないわき健康センターに寄り道。1350円というとさぞかし素晴らしいところかと思うが、どうということはない広めの銭湯。地元民しかこないんだろうな。露天もあり悪くないが半額が妥当ではないか。しかしこれは支援活動なので納得する。次に塩屋崎に寄ったが自身被害により灯台への歩道は通行禁止。ここでも土台だけの荒地がひろがる。小名浜の港の正面で昼ごはん。マグロ付け丼1350円は、これでもか!っていうほどマグロがぎっしりで大満足。次に向ったのが勿来の関。白河の関ねづの関と並ぶ東北の関所だがここは江戸時代に勝手にそうと決められた観光地であり本当の、つまり律令国家設立時の場所は不明なのだ。源義家が歌に詠んでいるからどこかにはあったのだろうが。雰囲気はまあまあか。しかし海辺のあまりの被害にすっかり意気消沈してしまい、じゃあってんで山へ向うことにした。
福島、茨城県境では3桁国道ですら酷道であり県道がいかほどのものかというのはわかっていたつもりだったが普段隼に乗っているからタイヤが四つ付いているし平気だろうと分け入ってみてびっくり、次第に雪が多くなり、気温はマイナス3度まで表示した。ついにはのぼりの急坂で全身できなくなり、撤退を決断。ほとんどパニックだ。こんなところでスタックしてもレッカーきてくれるんかいな、というところ。しかし舗装されているということは大型の重機も入れるのだろう。一応この道は茨城県の県道37号であるが、ここは雪国、東北だ。はなわは千葉から見て茨城は東北と歌ったがあながち間違っていない、というより凄いことだと思う。
市街地にもどると道端の看板には雪道でノーマルタイヤは道交法違反です、だと。えぇまったくそのとおりですよね。
まだ日暮れには時間があったので駄目押しでカーナビ機能のチェックを試みた。ジャンル城跡。こんなジャンルがあるのはびっくりだが案内がいい加減なのにはもっとびっくりだ。どうも自前のGセンサーは学習でよくなるらしいので期待だ。平城は高台の上にある美術館だった。しまっていたのだが。さてほかに行くところもなかったが今日折角ここまで着ておいて温泉に入っていない。そう、いわき健康センターは温泉ではなかったのだ。というわけで温泉をさがしたがカーナビの示すとんでもない道を行くと〜〜鉱泉という旅館風の建物の脇にでた。これ・・・とても立ち寄りできそうな雰囲気じゃない。っていうか誰が利用するんだこの施設。諦めて撤退です。まあよくある。気を取り直していわき湯元温泉へ。道に迷いながらもたどり着くとここが良い湯。700円は妥当か。しかし驚いたのは併設食堂の980円のムギとろろ定食についていたキスのてんぷらがとろけるうまさだったこと。そしてデザートが冷凍ババロア(解凍は中途半端)だったこと。ババロアって。昭和か。店員のおねぇちゃんの福島弁が染みるぜ。
満足して帰途に着く。高速は驚くほど空いていた。荒天というわけでもないのに本当に景気が悪いんだなと実感。ちょっと寒いせい?9時半に到着、16時間のドライブだった。茨城県道37号にはしてやられたというか死ぬかと思ったが生きて帰れてよかった。クルマも無事でよかった。