奥多摩南部縦走武蔵五日市駅ー>藤野駅

かなり寝坊しつつも武蔵五日市駅に到着。今日は日本山岳耐久レースのコース下見という名の駅to駅縦走チャレンジだ。

まずは市街地歩き。???神社と広徳寺を経て山道に入るがそっこうでロスト。はえー。10分くらい?ガイドブックの地図が大雑把過ぎて。その後たぶんこっちだろうという今熊山方面へ向うが雪が凄くて今日はアイゼンつかわなくていいかな、という淡い希望は速攻で打ち砕かれた。雪の積もった急斜面でアイゼンを装着していると生きた心地がしない。これがアルプスだと死んでるという感じ。だがもし滑落すればアルプスでも裏山でも100mくらいで死ぬ。だったらアルプス行って死んだ方がいいよなぁ?

などと必死になりつつ今熊山に到着。オーイエス、グッドビューです。頂上には社があり、ちゃんとした神社の体裁をもっていた。無事に通らせてくれるようお祈り。ここで昼にすることにした。早すぎるが。昨日買った銀だこは既にたこ焼とは違う物体になっていた。しかし成分が変るわけではない。+おにぎり1個を食べ移動開始。

次なるウェイポイントは刈寄山。まあ、標高も高くないし簡単かなと思っていた。が、間違っていた。道中は尾根道ではあったが細かいピークが多数立ちはだかる。そのどれもが雪に包まれている。一旦雪に包まれてしまえばそれが10mだろうと10cmだろうと表面が雪な事には変わりない。すべるし足を取られるし、なにより整備された登山道が消えてしまっているのだこれはつまり、登山道をはずれてのぼっているのとあまり変らない。下りは雪が衝撃を吸収してくれる分体には優しいのだろうが元が急勾配なので全然休めない。のぼってくだって、のぼってくだって、のぼってくだって、もう何度それを繰り返したのかわからないが刈寄山分岐の標識を見つけた。ちょっとなやんだが山に来てピークを逃すなんて、というドケチ根性を働かせたのが運のつき、往復2kmもアップダウンが追加されたのだった。頂上は眺めが良かったがトータルのプランを考えてちょっとヤバイなと思い始める

次のウェイポイントは市道山。こちらもせいぜい標高800mちょっとで今度こそ穏やかな道中でありますように!と祈るも標識には2時間20分の標識が。そんなにかかったらやばい!そして上昇下降の繰り返し。きつい。きついです。ただ黙々と足を進める。しかしおなかは空くし足は痛いしでペースは上がらず。そして再び着ました、市道山分岐。今度は0.1kmと書いてある。さて、0.1kmかぁじゃあすぐだな。折角だしと再びドケチ根性を(ry 確かに近かったけど、絶対0.1kmじゃない。なんだ、登山道の道しるべというのはわざと少なめに書くのがルールなのか?だってそもそも0.1kmだったら目視できるはずだったが目視はできなかったその時点で気づけというのかっ!?こちらも頂上はグッドビュー。


次のウェイポイントは醍醐丸。これまた標高700m程度で、この記述だけを見ていると全く標高差のない道をたらたら歩いている図が浮かんでくるが、実際には程遠い。あがってさがって〜 雪を踏みしめて〜 計画の浅はかさをかみしめて〜 今度は通過ポイントなので戻る心配をしなくてよい!しかし道しるべには和田峠・陣馬高原下6kmの表示が!すわもうだめだ遭難だ。遭難です となりかけたがよくよく見たら1.6kmだった。しかし既に16時半、日没までには一時間ほどで何をどう計算しても日没までに下山できる方法は残されていないことに気づいた。だがそれでもあるかなければならない。

次のウェイポイントは陣馬山。857mの標高は知らない人がみればたいしたことがないと感じるかもしれないが醍醐丸から向うのにまたのぼるのか、ということは降りるのかと考えると憂鬱になる。ここから和田峠までは比較的穏やかな山道。特に難しいところもなかった。一面敷き詰められた雪にまっかな太陽光が彩りを加えている。まるで血の赤だな・・・でもこの光景にはそれなりに元気をもらった。そして和田峠に着いたがなんと!クルマはおろかバイクまでいる。ちょっと下まで乗せてってくれないという台詞がのどまででかかったがそんなことをすれば今回の旅の趣旨を覆すことになる。ぐっと耐え、夕暮というよりうす暗がりの中陣馬山への直登路をかけあがった。峠からだとすぐかなと思ったのだがそれなりにのぼるのぼる。山道気分を味わうには十分なほどのぼった後陣馬山山頂に到達した。もう日没は過ぎ照り返しが空を赤く染めている。そして寒い。何度も何度も地図を確認する。明王峠から相模湖に降りる道は正直長すぎる。5kmで下山できる落合をチョイスした。とはいえ暗闇の中の行動は避けられない。幸いにもヘッドランプを使った山行は乏しい登山経験の中でもそれなりに体験しているのだ。主に富士山だが。

最後のウェイポイントを藤野駅としスタートしたのが17:25.まずは落合まで4.9mとある道を下山しなければならない。自分はルート後半になると左ひざがいたくなって左足を高く上げられなくなる。なので木の根とか石とかが出ているとわかっていても引っ掛けてしまうのだ。しかし。雪道だともちろんそんな心配は必要ない。木の根も石も全ては雪の下だ。不幸中のハッピーをかみ締めていると雪はなくなった。同時に山肌を吹き上げ体に突き刺さっていた冷風もぴたりとやんだ。まだ寒いには寒いが。急に体も楽になる。途中なんどもあれ?まだ終わりじゃないの?と道しるべに確認。登山道が終わってホッとしたが今度は急坂の林道。コンクリート舗装はガチだ。ガチです。アスファルトで舗装すると滑ってのぼれないからコンクリートなのです。ようやくバス停に来ると終バスが行った後だった。(泣き)しかし!趣旨からするとこれでいいんだ。と自分に言い聞かせ(とはいえそこんとこはマジで、駅から駅へ、でやってきたのにこんなところで哲学を曲げるわけにはいかない)、残り2kmを歩ききる。途中上り坂になり、まじっすかこの期に及んでのぼり坂?と苦言を呈し、どう見ても一台しか通れないトンネル歩きながらこれあぶねーだろどう考えてもと指摘しているうちに藤野駅に到着。

結局27kmを踏破した。

GPSデータをカシミール3Dにかけると累積標高+4463mを表示した。凄すぎる。これがどのくらい凄いかというとたとえば富士山は2400mから3776mまで(実際には剣が峰にいかないので3700mくらいなので)、コレを累積標高にすると+1300m。同じところに下山すればー1300mだ。今日の記録は富士山を3往復弱したのと同じだけの標高を移動したことを意味している。クレイジーだ。

平均歩行速度3.2km/h、これもまずまずじゃないかなぁ。雪道でペースをあげられない局面があった割には。でもこれではっきりしたがハセツネ30Kにこのまま出場するとタイムアウトで失格になるわけだ。

とにかくきつい。きつかった。