ネオ万葉集mini 0.1版

4500余首という怒涛の物量に押され及び腰になってしまったが気を取り直して1ヶ月に1首、写真もつけたカレンダー形式で作ってみようということでネオ万葉集miniの編纂を開始した。まずはやってみないと。論より証拠!


1月
かけそばを 一杯くって 引き返し

解説:
これはわかりづらいかもしれませんが、掛けそば一杯のために
どこか遠い道のりを旅してきたのでしょう。
しかしその行程、行動に対して後悔の念は一切感じられません。
晴やかな空のように澄み切った純粋にアホで前向きな気持ちが伝わる句です。



2月
膝痛か クルマに乗れば いいじゃない

解説:
あーこの季節、膝を壊しやすいんですよね。
でも練習で壊したならともかく酒によって暴れて?どこかにぶつけるようなことであれば、最悪です。
自転車にも、バイクにも乗れないんでしょう。歩いても痛さが伝わってきますね。
車があればよかったのでしょうが、何らかの事情で手元にない残念さがポイントです。
奇跡的な間の悪さが苦い後味を残す一句です。




3月
下り坂 一台抜かして ドヤ顔も 次の上りで あはれうつむく

解説:
おっと俳句かと思いましたが短歌のようです。元が辞世の句として作られたものなので
むしろこちらのほうがフォーマットとしてはよいのでしょうか。春先のレースで張り切ってしまったのでしょう、
上り下りといってるのでマラソンか、自転車のレースなのでしょうね。
下りで出しぬきドヤ顔をしたのもつかの間実力のめっきが剥がれ落ちる残酷な瞬間が
手に取るようにわかる句ですね。こうはなりたくないものです。




4月
ぶつかった なんと納車の 半日後

解説:
4月といえば始まりの月。きっと何か新しいことをはじめたくて
無理してクルマを買ったのでしょう。当日にぶつけるなんてなんてついてないんでしょう。
呪われているとしか思えない運の悪さがむしろすがすがしい句です。



5月
飛行機の 出発二時間 前に起き

解説:
きっと前日遅くまで仕事して疲れていたのでしょう。
しかし飛行機の出発時間の2時間前に起きて一体どうするつもりなんでしょうね。
そんな感じですからおそらく旅の準備もろくにしておらず、
絶望的な気分に駆られる一瞬を切り取った躍動感あふれる句です。
ちなみにこの状況で間に合ったようですよ、ついてるのかついてないのかわかりませんね。



6月
アニメには 詳しくないと 見栄を張り

解説:
いますねこういう人。既にガチキモヲタであることが周知の事実(羞恥のでもいいが)
であるにもかかわらずかたくなにキモヲタであることを否定する人。
そうすることにより残念度がさらに上昇する複利効果炸裂の一句です。



7月
ちょとまって 今のやっぱり リハーサル

解説:
小さなコンサートホールで発表会をしているのでしょう。
ありますね。えっまじかよコレ本番かよあーもうこれリハーサルってことにしてーっていう瞬間。
もう一回できないかなあ。えっだめ?でもまあいいか。もう一度やったって大して変わらない気もするし
もっと練習しとけばよかったという後悔の念が伝わってくる名句です




8月
廃熱で ライダー先に 干からびる

解説: 
これはアツそうです。ビッグバイクにまたがっているライダーが目に浮びますね。
ビックバイクですから半そで短パンで乗るわけにもいかず、
長袖長ズボンに容赦なく降り注ぐ太陽、アスファルトの照り返し
しかし何よりライダーを苦しめるのがエンジンとマフラーからの廃熱のようです。
図らずも自らすすんで苦行に邁進せざるをえないライダーの苦悩が燃えるようにチリチリと感じられる灼熱の一句です。
なおこのライダーは熱中症で病院送りになったようです。皆さんも過度なライディングは慎みましょう



9月
グルメすぎ ハイオク以外 飲めぬ猫

解説:
きっと詠み人はハイオクとは程遠い質素な食生活を送っているのでしょう。
クルマのほうがいいもの飲みやがってと内心はらわたが煮えくり返っているに違いありません。
ハイオクを飲む猫というのはプジョーのクルマであることが想像できます。
人を食ったツリ目がすっかり財布の軽くなったオーナーだけでなくこの句を読んでいる人にも伝わるイラッとする句です。


10月
ブレーキで 前の車の インを刺し

解説:

あーこれはいけません、公道でブレーキバトルをしているようですね。
しかも乗っているのは自転車のようです。
ということはかなりの急坂なのでしょう。迷惑チャリダーのドヤが目に浮ぶ、
勘違いな一句です。
なおこのチャリダーは無事インを刺しましたが、上りですぐに抜かれたようです。ますます残念ですね。



11月
初霜が 降りていたのは マイタイヤ

解説:

寒そうです。霜が降りているだけでも寒そうなのに、タイヤに?
クルマもバイクもフェンダーがあり霜は降りませんから、
フェンダーのないロードバイクのタイヤなのでしょう。それにしてもタイヤに霜って降りるもんなんでしょうか。
しかしそれ以上に凍ったタイヤで走らなければならない切迫した状況と、
諦めにも似た感情がうっすら感じられる無気力な句です。天気には勝てませんからね。
雪が降ったと思って諦めて乗らずに帰ればいいのにどうやらこのライダーは乗って帰ったようです。
もはや命知らずというより無謀ですね。



12月
アスファルト 今夜はやけに 冷たいな

解説:
年の瀬に、きっと急いでいたんでしょうね。事故も起きます。
心なしか遠くでサイレンの音が聞こえるような気もします。
心にしみる痛恨の一句ですが、おそらく体の感覚はなくなっているものと思われます。
こういう事故は決して起こしてはいけませんが、本当に死ぬときはこんなものなのでしょう
安全運転を心に誓う気持ちが湧き上がる一句です。


クオリティひくっ ていうかコレ川柳マガイなんじゃ・・・