屋久島観光三日目

昨日は白谷雲水峡に行くんだ!と意気込んでいた"さ"だったが足の痛みが消えないらしく断念。正直こっちも似たようなもんなのでほっと胸をなでおろす。しかし観光はてを抜き気など全くなく、まずはフルーツ園を再訪。こんどはきっちりと空いていた。そりゃそうか。ここがかなりいいところで係りのおじさんが園内をぐるりと案内してくれる。珍しい植物が一杯で特にオオバレタスという鑑賞用のレタスにぴぴっと来てしまった。
さらにフルーツの試食でパッションフルーツやらパパイヤやらたんかんやら食べ比べ。たんかんはみかんよりあまく皮も薄いしジューシーだ。ジュースにしたらすごくはやるのではないだろうか。パッションフルーツのすっぱさとたんかんの甘さが印象的だった。
その後海中温泉を探す。1箇所は景色はいいが、海中温泉ではなくただの海の見える温泉だったのでパス。二つ目は下見をしたときには完全に海に沈んでいた海中温泉。干潮の前後にしか入ることができないのだ。しかし周囲は普通の岩がちな海岸。脱衣所もなし。衆人環視の元全裸で入浴。とまあ異様な体験の割にはあっさりと終了。度胸が付いたのか感覚が麻痺してるのか?が、このお湯塩けがあるので傷口がしみるしみる。
昼ごはんはそばということでわかりづらい砂利のダートを走り本格そばを堪能。結局そのおかげで次のイベントである箸作りに遅れてしまったのだが、箸作りの匠によるとその店は地元の人でもわかりづらいらしい。だよねー。さらに時間がかかるのは真面目に作っているから、だそうだ。さすが匠。この匠話も非常に上手く、写真もきちんと取ってくれて只者ではない雰囲気を漂わせている。
で、箸作りは屋久杉の中でも大昔に切り倒された土埋木というものを掘り起こして使っているのだが、曲がりくねった素材にのみを入れていくのは本当に楽しい行為だ。自然と人間の接点がそこにある、様な気がする。プチ工芸家の気分を満喫できた。実際には匠のすばらしい解説といい道具が合ったからに他ならないのだが・・・。
”ま”のとっぴーの時間が迫るなか、最後に温泉に入っていくということになり、一番手近な温泉に向かうがここがかなりびっくりなひなびた公共温泉。窓の外には小川のせせらぎを感じるが、それ以前に本当に地元の人しか来ないんじゃないのかと思われる昭和の臭いを残した”浴場”。いや、昭和の臭いではなく昭和そのものだ。いいとか悪いとかではないが、いかに自分が中途半端に綺麗な人工物に慣れてしまっているのかと、こういう浴場に入るたびに思う。
最後にとっぴー乗り場でお土産を買出しして”ま”とはお別れ。トッピーとは飛魚のことでまさに屋久島にぴったりの船名だ。なおライバルのロケットはもちろん種子島をイメージしている(と思われる)。どちらも飛ぶのだがあまりにスケールが違う気も。でもちゃんと両方ともジェットエンジンを搭載した水中翼船でありつまるところ本当に”飛ぶ”のだ。
”ま”を見送った後引き返しクルマを返して最終準備。空港の食堂でうどんを食べていよいよ屋久島ともお別れだ。この小さい空港は食堂から保安検査まで10秒、搭乗口まではおよそ3秒。なので食堂でゆっくりすることができるのだ。個人的にはこのくらいの時間間隔だと色々ありがたいのだが。
息と同じくターボプロップ双発の70人乗りに乗り込むと飛行機は夕暮れの屋久島を速やかに後にしたのだった。そしてそれと同時にがっくりと眠りに落ちてしまった。鹿児島でのトランジットでは時間があったのでさつま揚げをつまみにビールで乾杯。まだちょっと早いが総じて目一杯詰め込んだこの観光旅行は大成功といえるだろう。そして鹿児島から羽田までまたしてもほぼ完璧に熟睡。羽田で霧と混雑で着陸が遅れたりして色々あれだったわけで結局家に帰ったのは12時ちょっと前くらいだったが本当に楽しかった。そして本当に疲れた。ぐぅ。