FuelBand未遂

未遂に終わる事件は数限りないが、今回はかなりあぶなかった。NikeのFuelBandが日本で発売になるというので本気で買おうか悩んでいたのだが、類似品も含めて未だ微妙であるということ、コンセプトも含めて”新しくない”事になんとか気づくことができた。


そもそもひとつのデバイスイノベーションをもたらすとしたら、その源泉はなんだろうか。情報の種類、粒度、継続性。個人的にはウェアラブルの意味は充電しなくて良いことになる。もし一日1回充電しなくてはいけないのだとしたら、そのたびにつけはずしするのだからウェアラブルの意味がない。万歩計でもつけていればいい。FuelBandは、つまり、種類は万歩計と大差ない。粒度は時間帯ごとのデータが取れるなど魅力的な面もなきにしもあらずだが、既に日ベースのデータ蓄積できる万歩計をもっているので改善幅は24倍にとどまる。継続性も、バッテリーが1日しかもたないのだとしたら大差ない。(ここで1日じゃなくて3日はもつ、という議論には全く何の意味がない事に気づくべきである)。Jawboneはその意味で睡眠モニタと行動量計をジョイントした意義あるデバイスだが、上記の3要素のうち、種類は万歩計と既存の睡眠モニタと変わらない。毎日同じ場所で寝るのだからモバイル睡眠モニタには実は存在意義がないのだ。Jawboneの素晴らしさはバッテリの持続性にある(Kindleを選ぶのにFireとかFireHDではなくPaperwhiteをチョイスした理由はここにある)。しかし購入の寸前に思いとどまらせてくれたのは信頼性と供給量。すなわち壊れる可能性が高く、代替品が提供される可能性が低いという点にある。

個人的にはアーリーアダプターであることには問題がないが、製品テスターをやるつもりはない。ベンダーもいい加減不良品を高値で売りつけるような商売を止めてくれるとよいのだが。