先っぽニストと禁断の静謐

微妙に寝坊したが天気はよさそうだったので隼を駆り関東北部へ向った。思えば隼では色々旅をした。それはGPSのログがほぼ日本地図の形になっていることでもわかるが、しかしそれをじっと見ると何かがかけている。なんか、まんなかがスッカスカだな。というわけで普段岬とかを好物にしている先っぽニストである当職は急遽内陸の行き止まり地点を目指すことを決意した。

駒寄SAのスマート出口から伊香保を経由して榛名へ。一度降りて榛名神社側から登りなおす。そして中之条方面へもう一度降りる。隼で走るにはちょっと道が狭くて荒れている。

まずは野反湖を目指す。目印は草津なのだが、途中で分岐があるだろうとおもったらとうとう草津についてしまった。一瞬温泉で暖まって帰るか・・・と悪魔の誘惑が脳裏をよぎるがここはこらえる。こらえどころだ。コースを修正して野反湖へ向うがとてもタイトでクルマじゃないとキツイ。路面状況がわからないから思い切って倒しこめない。ハードブレーキしてたて気味でコーナリング、加速の繰り返し。つまんない。
だがそんなのは序の口で標高が上がるにつれて法面が崩壊気味で工事ばかり。そうすると砂利が浮いている。コーナーのエイペックス付近で砂が浮いているとトラクションの変動に耐え切れないリアタイヤが滑りまくる。こわい〜などといっていると急に風が強くなった。野反湖は峠の向こうにある湖で、なんと関東と越後の境にあるのだが湖の水は新潟に流れる。峠付近は低木がかろうじて地面を被っている。そしてエメラルドグリンの湖。なんということだろう、こんなに凄いところにはそうそうこれない。乗鞍とは違う。人が少ないのだ。石ころだらけというわけでもない。ちょっと他にクルマを降りてすぐこういう景色にお目にかかれる場所を知らない。ツバクロ岳にちょっと雰囲気が似ている。

かなり冷たい強風が吹きつけていたが心は感動にちょっと熱くなっていた。これが禁断の静謐というやつだ。どんなに神聖な場所でも人が押し寄せればどうしても厳かな空気は吹き飛んでしまう。それと比べるとここは凄い。神々しい。交通の便が悪いとはいえ全面舗装路だしすれ違いにもそう苦労することもないだろう。頼むからマスコミここ宣伝しないでくれよと思った。

中之条まで戻ってロマンチック街道経由で奥四万湖まで到達したがあの神々しさと比べると霞んでしまった。だがダムは中之条ダムが一番怖かった。大きければいいってわけではないんだな。

最後は17号を多めに走って帰ってきたが髪切らないとヘルメット取ったときに店に入りづらいな。

家に帰ると疲れを感じた。とにかく緊張しっぱなしだった。隼で峠はないよ。無理だよ。