戦場には風が吹いていた

実家での1泊目の朝、習志野空挺部隊の公開演習を見に行った。
天気は良かったが少し風が吹いていて寒かった。軍事演習が行われたのは陸上自衛隊習志野演習場。当然ながら普段一般人は立ち入り禁止だがこの日はダレでも入ることができる。
入り口を入るととんでもない騒音が聞こえてきた。見るとヘリが大量に暖機している。4機ほどいただろうか、さらに奥に進むとさらに4機ほど爆音を響かせていた。これはとんでもないところに着たなぁと思っていると頭上をヘリがぶんぶん飛び回っている。まさにランボーの世界だ。実はこのとき既に遅刻していたのでデモは半分ほど終わっていたのだがどうやらクライマックスは最後に取っておいてくれるらしく、輸送機が飛んできたと思ったら5つの点を放出した。演習のハイライト、降下訓練だ。(入間基地にこの習志野空挺部隊が友情出演したときには風が強かったため降下はみられなかった。だから今日も風が強くてダメかなあとも思ったが結果的にちゃんとやってくれたわけだ。)最初はモノかなと思ったが(すんごいゆれていたし、何しろ遠かったので)すぐに手足が動いて人だとわかった。それがゆっくりと1分くらいかけて着地すると今度はチヌークヘリからも5人降りてきて、ゆらゆらと地上へ向う。合計40人くらいだろうか。ミニチュアのような距離だったが確かに人間が降下して集合して、同じくヘリに運ばれてきた迫撃砲を設置して撃つという戦闘行為が繰り広げられた。なによりリアルに感じたのはこの距離なら降りてくる間に全てやられる、っていう感覚。自分はそれほど射撃が上手ではないがあてることはそれほど難しくないように感じた。つまり敵兵が一人でいれば全滅してしまうだろうというのが容易にわかるシーンだった。そこは人が殺したり殺されたりするかもしれない場所だった。一般にそのような場所を戦場という。
その後も地上からの援護でジープが走ってきてどんぱちやりはじめたり、ヘリによる支援射撃があったりと映画で見るベトナム戦争さながらの光景が展開されていた。最後に撤退するヘリには兵士3人が釣る下げられ、小銃を構え鋭い視線を周囲に配っていた。
どれも運が悪ければ死ぬかもしれないというレベルではなく、並大抵の覚悟がなければできない仕事に感じた。