ついカッとなって琵琶湖へ

連休の最終日。最後に少し大きめの花火でも打ち上げるかということで琵琶湖一周を目指すことにした。ついカッとシリーズに該当するのは本日予定している走行距離、ずばり1000kmオーバー。一日。うち想定一般道200km。やーイカれてる。今までほぼ総高速でも840kmしか走ったことないのに今回はそれに純粋に加算となる160km。救いなのは風は弱めという予報だ。
朝7時スタート。のはずが押し押し。高速を入ったのは8:00。寒い。双葉SAで休憩。富士山がきれいに見えているがもはやこころはそっちを向いていない。(もったいないなあ)何しろ今日は滋賀、シガ、SIGAをしゃぶり尽くすツアーなのだ。寒さでペースがあげられないので諏訪に寄ったが時間を考えスルーする。この時点で10時。この時点でオンスケまで戻す。カッとなってるのにスケジュールあんのかよ。その後も最低限の休憩にとどめ時間をセーブする。休憩は琵琶湖でゆっくりするよ。駒ケ岳で給油。航続400kmと意外な高燃費を誇る隼はそれでも滋賀まで無給油でいくことはできない。インサイトがうらやましい。。。そんなこんなで土岐JCTを直進。中央道終点の小牧JCTから東名に入る。小牧直前で渋滞の表示があったが実際には渋滞なし。よ〜しいいタイム!(ナビタイムの人風に)。そのまま一気に琵琶湖に・・・と勢いづいたがここではたと気づく。かっとなったので現地のプランがほとんどない。琵琶湖を一周するということだけだが、どのICで降りるかとか全く計画していなかったのだ。息吹山のPAに止まり滋賀の地図を(立ち読みで)眺めながらふと目に留まったのが彦根。この瞬間とりあえず滋賀といえば彦にゃんということに俺の中で決定し、なので彦根で流出することに。

ここから滋賀県

インター降りると即渋滞。こういうときもやっぱりバイクは便利だ。彦根城はお堀の向こうから鑑賞。気品のある城、なのかもしれないがその実スポーツ施設とか周辺に作りすぎて風情なんてかけらもない。作る場所もっと考えようよ。大量の車がスイミングセンターの駐車場に次々吸い込まれるすがたをぼんやり見送りながらそう思った。気を取り直して湖周道路に出る。湖周道路は以前一度プレリュードで来たことがある。その日は雨がぱらつく天気だったがそれをもって天気が悪いね、ついてない、などと思ってはいけない。滋賀は水の県、雨の後には虹が出るし、大地から立ち上る水蒸気が日本昔話に出てくるおわんのような山を水墨画の芸術品に変えるのだ。うそだと思う人は梅雨の時期滋賀県に旅に出てはどうだろうか(バイクではきついけど)。刻一刻と変る天候が目の前を塗り替えていく不思議な光景を目にすることができるだろう。が、今日は曇り空で安定。雨が降るよりはましだが、不完全燃焼だ。クルマも多く湖周道路にトラックが少なからずいることに気づく。世間では祝日は関係ない仕事の人も多いということなのだろう。人によっては土日も関係ないだろうけど。そんなわけで大津方面にいくのはやめて琵琶湖大橋を渡る。150円なり。が、係員のいるゲートだった。うひゃぁ。ETCにしてぇな。後ろに並んでたクルマの人ごめんなさい〜。大橋はあっという間。川か、って言う程度。大津のほうは景色的には微妙だったがまた今度にとっておこう。
さて西岸に出た。ここから北上を開始する。ちらちらと建物の隙間から湖面が見えるのをぐっと我慢して交通量の多めな道を走る。そして10kmも走らないうちに湖周道路の標識再び。迷わず右折する。どうせなら全部湖周道路つくってくれよう。ともいえないか。こちらは東岸とはちょっと違って砂浜のような景観が散発的にある。白い砂浜にエメラルドグリンの水辺。やべーこれは良い。琵琶湖をさしてみんないったい何を想像するだろうか。日本一の湖、ってまあそうだ。でもそれって大きさだけで内容を全く見てない。少なくとも俺はそうだった。こんな場所があるなんて(以前一周したにもかかわらず)知らなかったもんなあ。若干観光地化されているきらいもあるが、無料駐車場のある場所も多くアットホームな雰囲気だった。もうちょっとあったかくなったらこのあたりで一泊して一日中湖畔の色々なところでぶらぶらぼ〜っとしてすごすのもいいのかもしれない。

さらに北上し湖北が近くなると道路が鉄の赤い錆びで覆われている場所に出くわす。雪国の代名詞とも言って良いこの光景は融雪管が存在することを示している。山の上ではない。湖のそば、標高一桁と思われる場所でも、だ。この季節危険信号をビビリアンテナがキャッチするが幸いにも路面はやばいところは見当たらない。マキノを過ぎると奥琵琶湖パークウェイ方向に進路を取る。この道路は湖の岸ぎりぎりに道路がしかれているので左車線を走っているのにまるで水の上を走っているようだ。こ、このみち無料でいいんですかね?途中記念撮影なんかしてはしゃいじゃったりして。

もう少し行くと本物?のパークウェイらしいが、木之本の看板を見つけてしまったので迷わず国道8号方面に舵を切る。昨年中部横断サイクルツーリングをしたときに立ち寄った寺があるのだ。今回できればそこにも寄れたらいいなという希望があったのだ。それでなくても木之本といえば「なんとかなるよ、ぜったい、だいじょうぶだよ」な人で有名。まさにツーリストのための地蔵尊といっていいのかどうかしらんが、とにかく参拝。隼と記念写真を撮ろうとしたらなんと山門にでっかい観光バスが止まっているのだが、参拝が終わるころにはいなくなっていた。そして前回自転車2台で取った記念写真と同じ構図で写真撮影だ。これが終わると仕事も9割がた終わりな気分になり(まだ滋賀県ですよ!?俺東京都在住じゃなかったっけ?)再び湖周道路に入るも長浜ICをめがけEXIT。
↓が昨年のサイクルツーリング時のもの

↓が今年のついカッとなったときのもの

写真の雰囲気が違うのがわかるだろうか。昨年の写真のほうが全体的に暗い。なぜか?石垣の上に木が生えているからだ。これが今年どうやらばっさりと切られてしまったようだ。そして全体的に明るめな写真になったと。この2枚の写真偶然たまたま通りかかって撮っただけなのに並べてみるとインプレッシブなんだよなあ。きっと2枚の間にある歴史、みたいなものを見る人(すなわち旅人本人、俺です)が感じ取っているから、なんだろう。次はまっつんを呼んでまたこようかな。ここ・・・

ここまで滋賀県

長浜から北陸自動車道に入る。が、入った瞬間ICの合流ですでに渋滞。どないやねん。長い渋滞の列は結局米原JCTまで続いていた。ここからペースを取り戻すべくがんばりたかったがあいにくの流れの悪さ。大垣まで15kmほど渋滞の表示が。はぁ〜。ひでえ。長浜で見た車は相模や練馬など関東ナンバーのクルマも多かったがあの人たちは大丈夫だったのだろうか。大垣を抜けても小牧までにはさらに5kmほどの渋滞。

そして小牧から中央に。この時点で正直へとへとだ。日も暮れて弱気になりペースは落ち込んでしまった。何しろ渋滞の走行はとても気を使うのだ。そうして何度かのSAでのピットインを繰り返すと次第にペースを取り戻し伏せた状態で巡航を開始する。しかし暗闇の中上っているのか下っているのかわからない。頭のなかでは常にくだりのイメージが回っている。そして息をつくまもなく連続するワインディング。恵那山トンネルを抜け少しは落ち着くが行きほどのスピードにはならず。寒さで指もかじかむ。辰野SAによるとちょうど閉まるところ。日が落ちて人影はまばら、最果て感も漂う。そう、少なくともあの瞬間辰野SAは半そで短パンの旅人もどきがたむろす日本最北端よりもよほど最果て感を醸し出していた。全く不思議なことだが個人の主観ということで。諏訪を回ると寒さが来るかと思いきやそれほどでもなかった。変りに増えてきたのがトラック。対向車線はもうトラックの支配下に置かれているようだった。夜中の貨物輸送専用道路と化した高速ほど怖いものはない。SAの通路という通路はトラックでふさがれそもそも一般車両が進入することができない(ように見えたがみんないったいどこから入ってるんだろう?)。

甲府盆地はなぜか暖かでリラックスして走ることができた。しかしこういう快走している時間はあんまり記憶に残らないのだ。辛い記憶だけが頭にこびりつくんだけどなんでだろう。この時点でずーっと電光掲示板に表示されていたのは大月−八王子30km。小仏トンネルだ。良くぞここまで、と思う。正直小仏トンネルはたいした難所ではない。トンネルが抜いているのはせいぜい標高500m程度。笹子に比べると地形の険しさは比べ物にならない。はずなのだが。してました。渋滞。すごく。クルマもいっぱいいました。ICの合流とか工夫してるようだったけど焼け石に水。交通集中が問題なのだとすればトンネルで渋滞するのはおかしいので一般的に言われているように速度の落ちた遅いクルマによるものと考えるのが妥当(というか道路公団がそういっているのだからそうなの)だろう。てことはだ。パワーウェイトレシオの悪い車は高速を遠慮いただくのが良いのではないのだろうか。これ最も公平だと思う。そこで高速料金を値上げしても渋滞の原因になるクルマが排除できるわけではなく、むしろ渋滞の原因にならないクルマを排除することになる。車検時にダイナモに乗せて馬力を計測し、ゲートで計量、エコカーやコンパクトカー、トラックは渋滞箇所をご遠慮願うというようにすればよいのではないか。なお、これが乱暴な規制に感じられる人は大垂水峠が土日軽車両(つまり、自転車だ)通行止めであることを知っているだろうか。「パワーがない遅い物体は、危ないし邪魔だから通るな。」この種の規制は常識的に行われているのだ。高速道路に125cc以下の原付が入れないのは周知の事実だ。なぜ125ccの原付が駄目なのにエコカー、コンパクトカー、トラックは高速を走っていいのだろうか。とかまあ色々と渋滞のたびに考えさせられるのだ。

結局23:30に帰投。や〜さすがに疲れました。結局走行距離は1000kmに届かず。なぜ!?

本日の走行997km@隼