フライングからの浅間山

何を勘違いしたのか川場ヒルクライムが今日だと思い込み朝駅前で待機。しかし何か不安になって確認してみると、、、明日ジャン。そりゃどうの朝8時受付っていったら参加できな人が続出するよね・・・

一瞬二度寝しようかという誘惑にかられたが折角早起きしてしまったのだから二度寝したら何か負けた気がする・・・ということで向かったのは何故か浅間山。そう、今噴煙が上がり話題になっている浅間山。さてこんなタイミングで浅間山に上ろうとするのはあほか自殺志願者のどちらかなんじゃないかと思ったが実際のところ一般の登山愛好家により大いに賑わっていたのはここだけの話。気象庁が警戒レベル1だといっているんだから、ニュースが何と言おうと1なんだろう。いやほんともうみなさんわかってらっしゃる。

しかし当ブログではカマシテなんぼなので噴煙が立ち上る中決死の登頂を試みた体で記載しておく。

さて今日の足は隼。あれ?隼登山やめたはずじゃなかったの?うん。できればやりたくないけど敢えて使うのは以下の理由から
・登山口へのアプローチにおける狭路での扱いやすさ
・渋滞対策
・燃費対策
・高速料金対策(軽自動車料金)

しかしデメリットは大きい
・たどり着くまでに体力を消耗する
・天候の変化に弱い
・ダートや悪路に弱い
・お土産が買えない

が、やるかやらないかという範囲の話である。天候が良かったので若干熱による消耗が見られたが車坂峠の入り口チェリーラインまではまずまず順調だった。しかしなんと浅間山ヒルクライム当日のため車坂峠までの道は通行止め。オーまいがっ。浅間山荘を経由するルートに変更したがなんとダートが4km。やーちょっと、ねたぶち込んでくれるよね。そして隼でダート4km。コーナー脱出でスロットルを開くたびにリアが滑る。段差でバイクがビヨンビヨンはねる。なんとか落車することなく山荘についたが帰りのことを考えると憂鬱であり、最悪のスタートと言えよう。何が憂鬱なのかわからない人はスポーツバイクでダートの山道を走ってみよう。

さて登山道の始点にはトイレがあり、温泉つきの山荘に引馬用の馬まですたんばっている(登山には使えないと思うけど)。登山道は最初幅広揺るやかで若干羽虫が多かったが印象としては初心者向けなのかとも思った。
緩やかな山道を登ること1時間、林の中の道が急に笹のある開けたスペースに出たかと思ったら目の前に硫黄の河原が広がる。そして絶壁の岩塊がそこかしこにそびえている。その高度感、空気感たるや至高。生きていることに感謝するしかない絶景である。活火山に上りに来て出会える光景とはとても思えない。そこから先は針葉樹の森を経て灌木、低木、そして火山礫の本丸へと続いている。本日の目的地は立ち入り禁止中の浅間山に代わり前掛山。これは第2外輪山にあたる。真黒な火山礫の山なのだが第3外輪山にあたる山は逆に緑に彩られヨーロッパの本物の?よう。およそ下界の建物とか農地が視界に入らなければ現世であることを疑ってしまうような景色が展開されていた。この景観は北アや南アではお目にかかれずまた比較しようもないが、こんなスペシャルな景色がまだまだ知らないところに多々存在しているとするならば、知らずに死ねないなと思う。そんな感情は薄くなりつつある空気の作り出した幻想なのかもしれないが・・・

火山礫の山に取り付くころには標高は2000メートルを大きく超え森林限界ももちろん超えている。吹き付ける風は冷たいがどこか空虚であらゆる生命の存在を許さない死の世界独特の雰囲気をここでも醸し出している。火山弾シェルターが申し訳程度に設置されているのもまたその雰囲気を助長している。ことが起きたときにハイカーはみなシェルターに入れるだろうか。あるいはシェルターは火山弾から守ってくれるだろうか。それは神のみぞ知る話なので敢えて考えないことにする。

やばいと聞いていた浅間山からは噴煙が上がり灰なのか水蒸気なのか判別がつかなかったが光の加減で時折薄い虹がかかっている様をみると水蒸気も含まれているのだろう。加えてびびらされたのが前掛山の直下すなわちこれから自分が上ろうとしている場所の下からも水蒸気が上がっていることだ。もちろん火山の熱で相当な温度で噴出しているからであろう、時折生暖かい空気もふきつける。

そんなこんなで無事登頂して記念撮影するとそそくさと山頂を後にした。その景色は究極かつ至高であり可能な限りとどまりたかったが命あってのアレなので。

帰り道は楽かなと思ったが行きに体力を使いすぎたのか帰りも全然楽ではなかった。それでも4時間で15kmを歩き切り、高低差を考えるとまあまずまずだったと思う。想定する適正体重55㎏だったらあと1,2割楽に、2,3割早く行動できたように思う。

山荘で温泉に入り再び隼で林道を突破して帰途に就いたのだった。いやーしかし、来てよかった。徹底的にファンタスティックだった。でもちょっとこのスリルは勘弁な。3回やったら一度は死ぬでホンマ。火山には勝てないし。