お金は銀行に

まっつんから借りたまま放置していた「お金は銀行に預けるな」という本を読む。なるほど書いてあることは割りと堅実でまっとうなことばかり。しかしところどころ疑問に思うこともある。例えばある箇所には「金融の世界では二桁の利率は夢の世界の話で、コンスタントに5%であればまずまず」と書かれているが、別な場所では「リターンが10%だとすると20年後には」とある。好意的に解釈すればどちらも事実であるのだから、読者を堅実な投資の入り口に誘導してあげているとも取れる。しかし恣意的に解釈すると、5%でまずまずのリターンを、20年間10%維持できるなんて、本当に思っているはずがない、実のところ読後感を後味のいいものにして部数を稼ぐための餌なんじゃないの、となる。(ちょっと意地悪すぎる言い方であり、この本自体には感謝している。が、気になるものは気になる)
著者は相当な所得の持ち主で、印税でもうひと稼ぎ、なんて考えてはいないとは思うが、どれだけまともな事を言っても一箇所怪しげな記載があると、すぐに全てが疑われてしまうんだなぁと感じたわけで、それはつまるところプロセスという名のロジックを売っているわれわれにも当てはまるんだなぁというわけで、反省しつつも投資信託を始めようかと思います。いや、いい本だよ本当に。うん。